社会問題

中学3年生男子生徒のいじめ問題、勇気ある訴えも届かなかった

岐阜市に住む中学3年の男子生徒が、自宅近くのマンションから転落死するという悲しい事故が起きました。その2日後、岐阜市教育委員会の会見で明らかになったのが「5月末に同級生の女子生徒が担任教師へいじめを訴えていた」という事実です。

なぜ女子生徒の勇気ある訴えは届かなかったのでしょうか?無くならないいじめ問題、周囲のしっかりとした対応が必要と浮き彫りになったように思います。

今回の経緯

どうしていじめがあると分かったのでしょうか。ことの経緯をまとめていきます。

女子生徒のメモからいじめが発覚

同級生の女子生徒から担任に渡されたメモには、次の内容が時系列で綴られていたようです。

  • 筆箱などものを隠される
  • 消しゴムを廊下に投げ取りに行かされる
  • 言動がひどくなってきている
  • 給食のとき亡くなった生徒の好きなおかずを取られる、嫌いなおかずを渡される

などが記されていました。

もし先生に話したことが分かったら、この女子生徒にまで危害が及ぶかもしれないと考えると、とても勇気ある行動ではないでしょうか。この勇気あるメッセージに対し担任の先生は「任せてください完璧にいじめです。指導します」と返答したのでした。

担任と亡くなった生徒の面談

担任教師はまず、亡くなった生徒と面談を行ったようです。ただそこで真実は語られませんでした。

「周りからそうやって思われていることはとても意外であり、自分も相手に嫌いなのもを与えたり好きなものを取ろうとするようなこともある」と説明されたのでした。

さらに相手の生徒とも面談、女子生徒からの手紙の一部を示しながら説明、給食に関しての訴えが事実と確認し同様の行為を行わないよう指導したようです。

この面談結果から担任教師は「生徒間の悪ふざけ」と判断、指導により解決できたとしました。

本人が「いじめでない」と言っているから大丈夫と思ったのでしょうか?少々残念な内容です。いじめられている人が「いじめられています」と話すことなど滅多にありません。本当のいじめを受けている人は隠します。その理由として

  • 先生に話したのがバレると、さらにいじめられる
  • 両親に心配をかけるから認めたくない、知られたくない
  • いじめられている事実が恥ずかしい

などが考えらえれSOSが出せなくなっているのかもと、想像する必要があるのではないでしょうか。被害生徒の証言は信用しない、この鉄則を理解しておく必要がありました。目撃者がいることに対し、解決したと判断するのはあまりにも残念です。

さらに女子生徒のメッセージを当事者に示したということ、これは信じられない行為、いじめの問題を重く受け止めていない可能性が高いと感じられてもしかたありません。

また、もっと複数のいじめの内容も書いていたにも関わらず、担任教師は給食の問題だけしか指導をしなかったようです。この点も不可解な点と誰もが思うことではないでしょうか。いじめをしている人がオープンで行う事は少なく、隠れて行うのがほとんどです。給食の時間という誰もが見ているところだけをピックアップしたのに疑問が残ります。

これは事務的な処理と言われてもしかたありません。人を育てる学校で行われた指導とは思いたくないのです。

さらに女子生徒のメッセージにはこのような内容も記されていました。

亡くなった生徒に「大丈夫?」ときいたところ「嫌だやめてほしい」というふうな話をした。本当はいいたくないけれど〇〇君が心配です。自分でできることはやりたいので私も一緒に闘います。先生力をかしてください。よろしくお願いします。

とも記されていたのです。
女子生徒の頑張りに、心がうたれた内容でした。これだけのメッセージを受け取りながらも大人が止められなかったのは、本当に残念です。

亡くなった後に明らかになったこと

亡くなった後に他の生徒からもいじめの証言が十数名から寄せられたそうです。その「いじめ」の内容はとても非人道的な行為でした。

  • ビンタをされていた
  • 蹴られていた
  • 唾をかけられていた
  • 口にジュースを含んだのを吹き付けられていた
  • トイレで土下座をさせられていた
  • 金銭の要求をされていた(総計2万円ぐらいではないか)
  • 漫画の本を要求されていた
  • 移動教室の際に荷物を持たされていた

といった具体的な内容も明るみになったのです。
もし亡くなった子の親の気持ちになったらどうでしょうか?相手の生徒を許せるでしょうか。もし私ならば、相手の生徒を呪いたい、同じ目に合わせたい、絶対に許さないと思います。殺人犯として生きて欲しい、そう願うばかりです。

またこの当該生徒の親はどうでしょう。自分の子供がこのような目を疑うような行為をしていた事実、我が子をなぜ誤った育て方をしてしまったのか、自分を責める親であって欲しいです。

女子生徒の手紙がない

今回の大切な証拠とも言える女子生徒からの手紙、これを警察から資料提供してほしいと学校側から求められました。しかし手紙が無いことが判明、全職員が学校内を捜索するも見つからなかったそうです。

担任教師はその時期について記憶が曖昧になっており、もしかすると指導が終わったため個人情報が書かれている資料の扱いを考えシュレッダーで破棄した可能性が高いそうです。

隠ぺいの意図は無いと話されていますが、あまりにも訴えを軽く見た行動です。さらに個人情報を心配されるのならば、当事者生徒の面談の時に手紙を示す方がよっぽど問題、どうも考え方がおかしいように感じてなりません。

学校側のずさんな対応は他にも

亡くなった男子生徒が通っていた学校では、いじめを発見する目的で年に3回アンケートを実施していました。亡くなった生徒は1・2年生の時に「暴言を吐かれた」などと記載していましたが、この内容は今回の担任に引き継ぎされていなかったようです。

このような形だけの学校側の行為が、被害者を追い詰めていきます。結局は助けてくれない、それが給食の面談にも表れていたのではないでしょうか。利用できないアンケートを行う学校側にも呆れてしまいます。

今回の世間の意見

今回の件に関しTwitterでの意見を見てみましょう。


やはり「学校の対応」「担任教師の対応」「いじめを行った生徒」「いじめを行った生徒の親」に非難が集まっているようです。これだけのいじめを行っているのだから仕方ありません。

また、学校側は、いじめ問題を知っておきながら止めることができなかった、これも問題です。SOSを聞いても助けられない教師という立場、勉強を教えるだけなら塾でいいと思われる親が増えるのも仕方のないことかもしれません。

いじめはなくならない

いじめはなくなりません。もし無理に無くそうとすれば、隠れておこないます。完全になくすことはできないのです。そのため教師が発見をするために目をひからせてること、その態度を生徒に分からせることが抑止力になります。今回のように曖昧な対応で、バレないとなればヒートアップする可能性は高くなるのではないでしょうか。俺たちの行動はバレない、この思いはグレードアップさせるのに十分な思考です。

大人が守るしかありません。このような問題が発覚すると必ず教師側にはこのような擁護発言が出ます。

  • 人手不足
  • 対応する時間が無い
  • 先生の負担が大きい

このような言い訳を必ず聞きます。もう何年も前からです。なぜこのような言い訳ができないような学校づくりを行わないのでしょうか。このような逃げ道を準備しておきたいと思われても仕方ない、そう思われないためにも早急な対応が必要ではないでしょうか。もうこのようなニュースは聞きたくないと誰もが感じているはずです。